2007年10月29日月曜日

有料リンク と Google PageRank減点ペナルティ

SEO業界で話題になっている有料リンク問題をめぐるGoogle PageRank更新について、何人かの方から質問をいただいた。いずれも「有料リンク」のことを誤解されているようだったし、実際、勘違いしている方がブログを拝見する限り多そうなので、ここで解説しておく。

1. 有料リンクの定義、有料リンクとは呼ばないもの
2. PageRank減点ペナルティ対象外となっている(と思われる)サイトについて
3. リンク購入側の対応
4. リンク販売側の対応


さて、1点目から。SEO業界で話題になっている「有料リンク(Paid Link)」とは、SEO目的、つまりリンク評価を意図的に上昇させることのみを目的に販売(購入)されるリンクを指す。ところで、販売されるリンクはそれを設置する媒体サイトによって販売(広告代理店が仲介する場合も含む)されていることが前提だ。

だから、少し前にはてなブックマークなどで上位にエントリーされて話題になっていた「アクセスカウンター埋め込み型リンク」というのは、有料リンクとは呼ばない。あれは、検索エンジンに読ませることのみを目的にしたリンクなので単なる「隠しリンク」と呼ぶものであり、Googleウェブマスター向けガイドラインに明記された通り「隠しテキストや隠しリンクを使用しない。 」に違反するスパム行為であることは言うまでもない。

同じように、SEO会社にアウトソーシングした結果、張られるリンクもそれ自体は有料リンクとは呼ばない。SEO会社にお金を払った結果としてリンクが張ってもらえるなら、広義の意味で"有料リンク"と呼べるかもしれないが、少なくとも検索・SEO業界で私たちはそれを"有料リンク"とは呼ばないし、そういう文脈で有料リンクという言葉は使わない。

話を戻そう。今回問題となっている有料リンクは、販売側がSEO目的であることを理解して販売しているものが対象だ。従って、広告リンクが埋め込まれた各種ツール類を自分のサイトで使用していたからといって、有料リンクによるペナルティを受けることはないし、実際そういう人はいないと思うし、そういう報告は過去にも聞いたことはない。

2点目について。有料リンクを販売しているからといって(少なくとも今回は)ペナルティを受けていない種類のサイトもあるようだ。例えば、検索エンジンのリンク分析アルゴリズムに影響を与えうる無差別かつ大量のリンクを販売する無料ホームページサービスのサイト、あるいは不特定多数のユーザーの投稿・参加によりコンテンツが成立しているタイプのサイトだ。これらのサイトは、利用者それぞれが個々にリンクを販売しているわけではないから直接ドメイン単位でペナルティを課すとむしろ不利益になるという考えが働いたのかも知れない(だからといって、この手のサービス運営サイトは有料リンクを販売してOKということにはならない)。従って、有料リンクを大量に販売しているサービスでウェブを開設しているからといって、いますぐ退去する必要もなかろう。

3点目、リンク購入側の対応について。今回はあくまでリンク販売側に対するペナルティであって、購入側に対するペナルティではない。購入側に対するペナルティは現時点で、「購入元ページからのリンク加点を無効にする」(=お金が無駄になる)くらいしかない。ただし、Googleが購入側に対するポリシーを変更することはありうるし、もしかしたら悪質な購入サイトに対してもペナルティを課すという動きをしてくるかも知れない。販売側に対してPageRank減点ペナルティをするくらいなら、購入側に対して行ってもおかしくはなかろう。

1点いえることは、Googleは「全ての有料リンクを否定しているわけではない」ので、ユーザーに価値を与えるリンクである限りは、それが有料でも無料でもGoogleは特に気にしないだろう。


4点目、最後、リンク販売側の対応について。「有料リンク販売はやめたほうがよいのか?」という質問を頂いたが、将来、PageRankデータ上のみの減点だけでなく、ランキングやトラフィックの減少という目に見える不利益が発生することは目に見えているので、ビジネス的に、SEO目的のリンク販売による収益よりも主事業による収益が大事であれば、やめたほうがよいと思う。やめるといっても、テキスト広告そのものは残しておいて、リダイレクトURLを別途用意、かつそれをクロール禁止にするとか、広告を張っているページは robots.txt や METAタグで弾くとか、302リダイレクトに設定するとか方法はいろいろある。他のバナー広告枠で代替できるなら置き換えてもよいだろうし、枠そのものを撤廃してしまってもいいと思う。それは媒体側が好きなように行えばよいのではないだろうか。ただし、先述した通りGoogleはあらゆる有料リンクはNOといっているわけでもないので、やり方次第。


補足:PageRankがいろいろと話題になっているが、SEO的にはたいして重要ではない。PageRankが上がろうが下がろうがどうでもいいと考えるSEOのエキスパートは私を含めて少なくない。そういう中でも今回のPageRank減点が話題になっているのは、「有料リンク問題に対して最大シェアを誇るGoogleが対策に乗り出したから」だ。

2007年10月27日土曜日

国内有料リンクサイトのPageRank下落も確認

今冬~来春にかけて書籍をリリースできるように、私はきっと5年ぶりくらいに本気で執筆に取り組んでいる。しばらくブログ更新はお休みしたかったのだが、そんな矢先に業界の人間としてはおもしろい話題が出てきたので、ちょっとだけコメントをしたい。

このニュースは簡単に要約すると「SEO目的のリンクを販売していたサイトのPageRankが、事前のGoogle警告通り、下げられてしまいました」ということだ。

「海の向こうのお話か」くらいにしか捉えられていないようだが、日本国内でも同様のことが起きている。2007年10月26日時点、少なくとも筆者は2つの有料リンクを販売していたサイトのPageRank下落を確認している。1つはPageRank 7 > 4へ、もう1つは PageRank 6 > 4 だ。他にも有料リンクを販売しているサイトは山ほどあるが、今のところこの2サイトしか確認できていない。何とも中途半端な対応で、有料リンクへの対策を強化するならもっとちゃんと仕事をしてほしいとリクエストしたい > グーグル日本法人

さて、今回はあくまで「Googleツールバー表示用のPageRankが下がった」だけの話で、実質的な不利益はない模様だ。というのは、キーワードの検索順位やトラフィックが減少したという話は聞かない。日本国内の問題の2サイトも、キーワードの順位を測定しても更新前後で変化がない。

これはサイト運営者へのGoogleの警告を意味しているのか、それとも本当に近い将来に本当にランキングを落とすのか。とりあえずこういう時に何らかの発表を書いてくれるであろうMatt Cutts氏のブログに注目しよう。

2007年10月16日火曜日

新規ドメインができる3つのSEO対策

新たに取得したばかりのドメインではSEOが期待できないというのはご存じですか?
どんなにがんばっても上位表示はできず、突然検索結果から消えたりもします
これは、検索エンジンからの信用が少ないから起きる現象なのです

古いドメインでの上位表示は取得したてのドメインでの上位表示よりずっと有利です
なぜこのような現象が起きるのでしょうか?

実は取得したてのドメインはスパムの実験に使われる事が多いからです
こういったスパマーは何百ものドメインを取得し、一気にそれらを利用します
こういった行為を防ぐ為に、検索エンジンは新規ドメインのページを重要視しません

つまり、ドメイン取得後、一定期間が経過しなければ信用してもらえないという事です


では新規ドメイン取り立ての人はどのように対処すれば良いのでしょうか?
新規ドメインができる3つのSEO対策を紹介しますので
信用されるまではこの方法で少しでも多くのアクセスを稼いでください


1、マイナーキーワードでの上位表示だけに集中する

突然”車”というキーワードでトップ10に入るのは不可能ですが
”中古車 販売 横浜市 青葉区”
というような絞りきったマイナーキーワードであれば
新規ドメインであっても上位表示は可能です

更にこういったマイナーキーワードで検索してきた人は購入する可能性が非常に高いので
逆にこういったマイナーキーワードでコツコツ上位表示した方が有利かもしれません



2、被リンクを得る

被リンク無しで上位表示させる事はほぼ不可能です
可能な限り関連するサイトからのリンクを得るようにしましょう

これが検索エンジンから信用される為の一番のテクニックです
有効なサイトからの被リンクが多数あれば
新規ドメインでも古いドメインと同様に扱ってくれる場合もあるかもしれません


3、待つ

数年に渡ってオンライン上に存在するドメインは新規ドメインと比べると
検索エンジンからの信頼が非常に大きいです

検索エンジンの上昇の要因の一つに”待つ”というのも必要です
すぐに結果を求めてはいけません
じっくり待ちましょう

2007年10月13日土曜日

Gmail保存容量、大幅拡大。2月に6GBは実現しそう!

Gmailのストレージの増量ですが、新たに、GoogleJapanブログでも正式に発表されました!

Google Japan Blogより

Google は、ユーザーの皆様がより快適に Gmail をお使いいただけるように、保存容量の拡大に取り組んでいます。2004 年に提供開始された Gmail は、翌年4月、” Infinity + 1 ” storage plan (” 無限 + 1” 容量プラン )の一環として、保存容量の大幅な拡大を行いました。

もちろん実際には「 無限 」というわけにはいきませんでしたが、ユーザーの皆様に可能な限りの大容量を提供し続けていくことを約束したのです。現状でも、Gmail の容量を超えそうだという方はそんなには多くないと思いますが、Google は、この約束を守るために、さらなる容量拡大を無料で提供することを決定しました。皆様の Gmail の容量をご覧いただければ、すでに容量が拡大し始めていることにお気づきになるでしょう。

2007年10月12日金曜日

「display:noneの利用 = 検索エンジンスパム」 ではない

米GoogleのWysz氏は、ウェブサイトのナビゲーションメニュー設計において、CSSで display:none を使用したからといって即座にスパム行為と判定するわけではないとの見解を明らかにした。米Google Webmaster CentralチームがFAQを作る目的で募った質問に対して答えたもの。

CSSの display:none の利用はSEOの世界では頻繁に取り上げられるトピックの1つ。検索エンジンは、クローラが見るウェブページとユーザーが見る(ブラウザが表示する)ウェブページが異なること、つまり隠しリンクや隠しテキストを問題視している。理由は、訪問者にとって不利益になることとウェブページの適切なランク付けが行えないためだ。ただし、音声ブラウザやアクセシビリティへの対応、あるいはナビゲーションメニューの視覚表現上の理由でスタイルシートにより非表示にしなければならない場合も当然ある。つまり、display:none は必ずしも検索エンジンスパムという悪意ある目的のみで用いられるものではなく、正当な、合理的な理由があって用いられる場合もあるわけだ。

この問題について Wysz氏はウェブページ上で display:none を使用して一部のテキストが隠されているからといって即座に検索インデックスから削除するわけではないと説明。Google(クローラ)が見るコンテンツと、ユーザーが閲覧するであろうコンテンツがほぼ同一であれば問題がなく、一方で隠しテキストや隠しリンクが悪意を持って、故意に行われていると判断されれば、Googleはランキングを下げたりインデックスから排除するなどの対策を講じると説明した。

2007年10月10日水曜日

Googleがウェブマスターツールのデータ更新を変更

 今回Googleは、ウェブマスターツールのデータ更新を行うと共に、今後、ウェブマスターツールに登録されているサイトのデータ更新の頻度を上げるとも発表しています。

データ更新の頻度を上げる部分は、「 クロールに関する情報」と、 「インデックスに関する情報」、「 上位の検索クエリ」、そしてこの情報は、サイトの内容にかなり依存するそうです。

逆に、サイトの更新が長いこと行われていなかったり、サイトに新しい被リンクが増えていないようだと、ウェブマスターツールの情報が更新されないんだとか。

最近のGoogle検索結果は記事の公開から、インデックスが1時間以内に行われ順位変動も激しいことから見ると、Googleの検索結果のデータがウェブマスターツールへリアルタイムに反映されるようになったと言ってもいいのではないかと考えています。

また、サイトの更新がなされていないとウェブマスターツールのデータも更新されないということは、SEOの定説にある、「今検索順位が好位置にあるのであれば、ページはいじらないほうが良い。」が成立するとも言えそうですね。

2007年10月7日日曜日

Googleのページランク更新か?

 海外のSEOフォーラムにおいて、「複数のサイト運営者からGoogleページランクに変動がある。」という投稿があったようです。その更新内容は、SEOにコストをかけているサイトには厳しい結果を反映させているとも取れるものになっています。

 Googleのページランク更新有料リンク報告の結果を反映させたのかどうかは定かではありませんが、リンクを売買しているサイトのページランクに変動が発生しているようです。下記、DigitalPoint forumsからの引用。


 「私のブログにリンクしているいくつかのサイトがPR 7からPR 6まで落ちました! 多分GoogleはPRアップデートの進行中です。 私のブログは、PR 4がPR 1に落ちることを示しています。 この次のアップデートが私のサイトに肯定的な結果を与えることを祈ります。

これは興味深いです。 私は数ヶ月前にここでブログネットワークの1つからのリンクを購入しました。 そのネットワークからの全ての被リンクが私のサイトのウェブマスターツールから外されました。 他の全ての被リンクはまだ表示されており、そのネットワークからのリンクもYahoo!で「link:」をつけて検索してもまだ表示されています。(これは、リンク元のサイトがリンクタグを消去していないことを現しています。)

私は600以上の被リンクを失い、1500だった被リンク数が876になりました。私は被リンクに対してなにもアクションを起こしていないし、他のサイトも同様です。一時的にではありますが、このページランクの変動が起こる前にチェックしていました。 」

2007年10月5日金曜日

SEO に適した CMS 導入のための5つのポイント

CMS(Contents Management System)は、HTML や CSS などの技術的な知識がない人ても Web サイトを作成できるため、とても便利なツールである。例えば、CMS で作成できる Blog によって、多くの人が個人サイトを運営できるようになった現状を見ても、その利便性の高さは証明済みだ。

また、CMS はサイト運営者の負担を軽減し、サイト運営の本来の目的である魅力的なコンテンツ作りに集中できることや、それによってサイトの更新頻度を高めるという効果もある。そうしたメリットを考え、最近では CMS の導入に踏み切る企業も増えているようだ。

しかし、このように利便性の高い CMS だが、SEO の観点から見れば必ずしも好ましいとは言えない面もある。

それは導入する CMS の選択を間違うと、検索エンジンから判読されず評価を得られないという最悪の結果を招く場合もあるということだ。

そこで今回は、CMS 導入において SEO で不利を受けないために最低限確認すべき5つのポイントをご説明したい。

1.検索エンジンが判読できるソース構造になっているか

2.テンプレートは SEO を意識したタグの設計になっているか

3.検索エンジンに評価されるファイルの階層構造を作成する仕様になっているか

4.検索エンジンに評価されるファイルの拡張子を作成する仕様になっているか

5.CMS 導入後に臨機応変にテンプレートの修正ができる柔軟性の高い設計になっているか


CMS は最初の設計段階をしっかり行なっておかないと、修正に大幅な費用や時間のロスが発生する場合がある。また、一度導入した後にシステムを変更しようとしても、互換性のないシステムに変更することで、過去に作成したコンテンツを引き継げないといった大きな問題が発生してしまう可能性もある。そのため、導入時にこそ十分な検討が必要だ。

なお、上記5項目を確認する理由についても以下に詳しく説明したので、ぜひ参考にしていただきたい。

1.検索エンジンはすべてのタグを判読できるわけではない。そのため、判読できるソース構造で Web ページを生成する設計になっていることが重要である

2.SEO には検索エンジンから高く評価されるタグが存在し、その効果的なタグに対策キーワードを挿入することによって順位改善が見られる。したがって SEO の観点から好まれるタグをテンプレートに実装することが重要になる

3.検索エンジンには判読しやすい階層のレベルが存在する。また階層レベルによって順位の上がりやすさや対策方法が異なるため、データが深い階層レベルに格納される設計になっているシステムは不適切である

4.検索エンジンは拡張子の種類によって評価が異なる。Google では最近になって一部の拡張子を除きすべての拡張子の評価は同質とするという発表があったが、Yahoo! では依然として拡張子によって優劣が存在する。そのため、作成ファイルが好ましい拡張子になることが重要である

5.国内の主な検索エンジンは Yahoo! と Google の検索エンジンになるが、日々アルゴリズムが更新されている。そのため、テンプレートもその変更内容に即したソース構造に書き換える必要がある。したがって随時修正が行なえる柔軟性の高いテンプレート設計が必要である

2007年10月2日火曜日

MSN / Live Search 日本語版、検索アルゴリズムとインデックスを刷新

米Microsoftは2007年10月1日より、Live Search / MSN のインデックス及び検索アルゴリズムの刷新を開始した模様だ。日本語版(Live.jp)も2日未明から大幅な更新が確認されている。


これは先月26日に発表された、Live Searchの大幅バージョンアップを受けてのもの。同社は10月末までに順次、新機能をリリースしていくとアナウンスしていた。

とりわけ日本語版Live Searchの変更点は次の通り。発表どおりウェブインデックスが拡大されたほか、検索アルゴリズムに抜本的な着手を行った模様。

これまでLive Searchは、キーワード繰り返しや隠しリンク、単純なリンクファーム、スパム用リンクページの設置といった、10年前に流行した古典的な検索エンジンスパムにも十分に対応できていなかった上、本来評価すべきでないリンクに過剰な加点を与えていたことから、単ワードはもちろんテールワードでも満足いく検索結果を提示できたとはいえない状況だった。例えば、SEO会社がランキングを上昇させる目的で作成したと思われる、ほんとど内容のないウェブサイトであったり、画面フッター付近に47都道府県 x キーワードの全組み合わせを背景同色で埋めているサイトが上位に表示されていた。

今回のアルゴリズム刷新では、不特定多数のページ上に同一パターンで貼り付けられているリンクのスコアリング無効化、ページ(ソースコード)の特定箇所に出現するリンクのスコアリング無効化、ランキングを故意に上昇させようとする多種類のリンクパターンに対するスコアリングの調整、リンク元ページとリンク先ページ間のレリバンシー評価の改良などの変更が実施された模様。結果として、Yahoo!やGoogleで長きに渡り上位に表示されているサイトの大幅な順位下落が多数確認されている一方、自然リンク(あるいは、"自然な形態を持つ"多数のリンク)を受けるサイトが検索上位に表示されるようになっている。これまで米国版Live Searchのレリバンシーが改善されるという発表は何度かあってもそれが日本語サイトでも対応されることは皆無だったが、今回は本腰を入れて検索品質改善に着手したのだろう。

マイクロソフトのLive Searchは、一般に"PageRank"と呼ばれるリンクのスコアリングのほか、ニューラル・ネットワーク(神経回路網)を応用したRankNetといったアルゴリズムを導入していると言われている。

2007年10月1日月曜日

検索サービス「Live Search」を刷新,10月末には全世界で利用可能に

米Microsoftは9月最終週,Web検索サービス「Live Search」の新版の運用を開始し,ライバルである米Googleと米Yahoo!を追い上げる。まず数週間は米国ユーザーにのみ新版を提供し,10月末には全世界で利用可能とする(関連記事:Microsoft,「Live Search」の検索エンジンを強化,インデックスを4倍に拡大)。

Microsoft副社長のSatya Nadella氏は「今回のLive Searchリニューアルで,当社の技術陣が特に力を入れたのは,毎月この検索サービスを使ってくれるユーザー1億8500万人にとって最も重要な部分である」と述べる。「検索時の操作性を大幅に改善することができた。われわれはユーザーがどのような情報を検索するのか把握しており,エンタテインメント/ショッピング/ヘルスケア/地域検索という関心の高い分野に取り組んだ。Live Searchの新しい中核プラットフォームを導入することで,ユーザーを増やすとともに,検索するつどロイヤルティを高める計画だ」(Nadella氏)。

Nadella氏の発言したような状況は,実現するだろうか。Microsoftは長年の研究開発活動やLive Searchへの投資といった努力が実を結ばず,Web検索市場で万年3位に甘んじている。それどころか「この期間にMicrosoftの市場シェアは縮小した」とするWeb調査会社が複数ある。しかしMicrosoftは,優れた操作性と,当たり前ではあるが優れた検索結果を提供しさえすれば,顧客を獲得できると信じている。