2007年9月5日水曜日

PC・インターネットに対する恐怖を取り除くSEO

 2007年9月3日。セキュリティソフト大手のトレンドマイクロは「~82%のユーザがインターネット利用中迷惑行為の経験あり~」というニュースリリースを発表した。

このニュースリリースによると、インターネット利用者の98%がインターネット利用について不安を感じており、82%のユーザが既に何らかの迷惑行為を経験しているという。この「迷惑行為」の中には「望まないポップアップメッセージや大量の広告が表示される」(30.6%)、「大量の迷惑メールを受け取った」(26.6%)、「訪問したWebサイトから、知らないプログラムがダウンロードされそうになった(ダウンロードされた)」(12.4%)といったものに加え、「ワンクリック詐欺のメールを受け取ったり、Webサイトに誘導されたりした」(8.6%)、「YahooやGoogleなどの検索結果から、悪意 のあるWebサイトに誘導されそうになった(誘導された)」(5.0%)といったおよそ信じがたいような事実も含まれており、SEO対策にとっても興味深いニュースリリースとなっている。 勿論、このような調査結果を検討する上では有効回答者数や質問自体が適切で客観的なデータが得られるような質問内容になっているか?といった要素を考慮しなければならず、一概にこのデータだけを見てユーザ全体が不安を抱えているという訳ではないことはご理解いただけると思う。そもそもトレンドマイクロ社はセキュリティソフト大手企業と言うこともあり、大手企業という事からあからさまに恣意的な質問内容や回答者を募るような事はしないと考えられるが、それでも不安を感じているユーザが多いという結果が出た方が、広報的な視点からは都合がよい。

明確な根拠もなく疑ってはならないが、SEO対策を行う者としては、このデータに客観性を認めつつも、ある程度は下ぶれ要素があることを考慮に入れてこの結果を分析する必要があるだろう。

従って、直ちにこの結果が今後のSEO対策に影響を及ぼすとは考えにくいが、先日のGoogleがガイドラインから外れたwebmaster宛に警告メールを送付する仕組みを再開するなど、ますますwebサイトの作り方について厳しくチェックするような事になったのは上述でトレンドマイクロ社のニュースリリースが示している 「YahooやGoogleなどの検索結果から、悪意 のあるWebサイトに誘導されそうになった(誘導された)」(5.0%)という現状を重く受け止めているからかもしれない。

実際問題、5%と言えば一見たいした数値ではない。100人にて5人しかこのような問題に見舞われていないというのであればそのまま放置してしまえば済む話とも言えるが、見方によっては5%も存在していると受け取ることができる。人間が交通事故に遭う確率は1%にも満たないという発表もあるが、それでも警察はなお、交通事故の発生件数を下げるべく日夜努力を続けているように、Google社やYahoo社のように検索エンジンの精度によって成り立っている企業にしてみれば5%というのは大きな問題であろう。

また、ポップアップ広告などについては3割以上のユーザが「迷惑行為」として挙げている点も興味深い。Webマーケティング業者からすればポップアップ広告などは重要な宣伝行為の一つであるが、せっかくの広告宣伝が「迷惑行為」と受け取られてしまうのであれば今後、規制の対象となる可能性があるばかりか、広告を出すことで返って企業イメージを損ないかねない。

常日頃から言われてきたことだが、Webサイトのガイドラインは絶えず更新され続けていると言うことを再認識し、今後のWebマーケティングを検討していく必要があるだろう。

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