2007年8月23日木曜日

iPhone効果? Google、モバイル検索の利用が急増

コンピュータの電源を切った後、携帯電話から再びGoogleサービスにサインインするユーザーが増えているようだ。

 米Googleのモバイルサービスの利用が5月以来急増しており、夏の間は通常コンピュータからの利用が落ち込むものだが、今年は初めて、そうした落ち込みが一部相殺されたという。同社幹部が22日、そう語った。

 「携帯端末からの利用が拡大している」とGoogleの検索製品および利便性の向上担当副社長マリッサ・メイヤー氏はシリコンバレーで開催されたWebマーケティングのカンファレンスで語っている。

 同氏によると、今年は5月から6月にかけて、Googleの地図・メール・検索などのモバイルサービスへの携帯電話やワイヤレス携帯デバイスからのトラフィックが35%増加しており、携帯電話からのトラフィックもコンピュータからのトラフィックも減少した前年と大きく異なる結果となっている。

 「待望されていたAppleのインターネット対応携帯電話iPhoneが今年6月に米国でリリースされたことで、携帯電話からのGoogle Mapsの利用が40~50%増加した」とメイヤー氏は続けている。

 Google MapsはiPhoneで利用できる幾つかのアプリケーションの1つだ。

 今年の夏の数カ月間は、全体的な検索トラフィックが急増したあと減少しているが、モバイル端末からのトラフィックは8月に入っても活発な状態が続いている。北半球のコンピュータユーザーが休暇を取る影響で、例年は5月から6月にかけてトラフィックは20~40%減少する。

 「これはある意味、人々が携帯端末をうまく使いこなせるようになってきていることの証であり、またコンピュータから離れている間もWebにアクセスできる優れた端末が提供されるようになってきたことの証でもある」とメイヤー氏はサンノゼで開催されたSearch Engine Strategies Conferenceでマーケティング担当者向けのプレゼンテーションを行った後、記者らに対し、語っている。

 「技術曲線が追い付きつつある。携帯電話の品質も高くなっている」と同氏。

 コンピュータベースの何億人ものGoogleユーザーと比べれば、Googleのモバイル検索サービスの利用者はまだ少数だが、こうしたトラフィックの増加はモバイルインターネットがユーザーに徐々に浸透しつつあることの表れだ、とメイヤー氏は言う。

 Googleでは毎日数千万件のモバイル検索が実行されているが、これは、コンピュータでGoogleサービスが毎日何十億件も実行されているのに比べると雲泥の差だ。

 これまでのところ、Googleのサービスは主に高価格帯のスマートフォンでの使用が想定されている。音声通話やテキストメッセージに使われる大衆市場向けの通常の携帯電話と比べて、スマートフォンはブラウザが高速で画面も大きい。

 メイヤー氏によると、社内のトラフィックデータから判断するに、コンピュータの電源を切った後、携帯電話から再びGoogleサービスにサインインするユーザーが徐々に増加しているという。

 ただし、Googleのモバイルトラフィックは今のところ主に米国ユーザーによるものだ。これは、国内市場である米国において、より広範なサービスが提供されている影響だろう。例えば、Google Mapsでは、米国の30以上の都市について詳細なリアルタイムの交通情報マップが提供されている。

 メイヤー氏によると、日本と欧州でもGmailやモバイル検索などのGoogleサービスの需要が高まっている。

 米国の学校が新学期に入り、社会人も休暇から仕事に戻り始めるなか、今週はGoogleサービス全体の利用が再び増加に転じている。

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